Speedflo - 反応性スパッタリングコントローラ

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スピードフロ、Speedflo
「成膜レート向上」
「成膜均一性の制御」
「再現性・プロセスの安定」

成膜レートの向上

反応性スパッタリングでは反応性ガスによりターゲットの表面が化合物化(酸素の場合、酸化)してしまいます。ターゲット表面が酸化すると酸化物はスパッタレートが低くそれにより成膜速度が遅くなります。スピードフロプロセスコントローラは高速にガス導入量を調整することでターゲット表面の完全酸化を防ぎスパッタレートを高い状態に維持することができます。これにより成膜レートを向上することができます。

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反応性スパッタヒステリシスグラフ
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反応性スパッタ均一性調整グラフ

成膜均一性の制御

ターゲット上の領域を複数の領域に分割し、各領域でのガス流量を個別に制御することにより、成膜均一性の調整を行うことが可能になります。スピードフロ標準では最大8台のますフローコントローラを同時制御可能で、スピードフロ・ミニでは最大3台まで制御可能です。一般的に各マスフローコントローラは個別のセンサを割り当ててフィードバック制御しますが、1つのセンサの領域を複数の領域に分割した場合は、マスター・スレーブ制御を行うことにより、さらなる微調整が可能となります。

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スピードフロ、3ゾーンPEM構成
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スピードフロスタンダード
スピードフロ スタンダード

8チャンネル 搭載
プラズマエミッション 最大4ch
電圧入力チャンネル 最大8ch
MFCポート 8ポート

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スピードフロ ミニ
スピードフロ ミニ

2チャンネル 搭載
プラズマエミッション 最大1ch
電圧入力チャンネル 最大2ch
MFCポート 3ポート

制御アルゴリズム

Speedfloでは独自開発されたPDF+という制御アルゴリズムを使用しており、高速で正確なフィードバック制御を可能にしています。さらにデジタル可変構造制御 (DVSC)を特徴としており、MFCの完全開閉を行った場合であっても高速処理および安定制御を維持する事が可能になっています。これによりフィードバック制御の高機能性・堅牢性および信頼性を高めています。

複数の制御チャンネル

Speedfloには8個の独立したチャンネルが装備されています。これは最大8台のMFCに対して同時にフィードバック制御を行う事ができ、各チャンネルでは複数のセンサ信号を組合せたり再利用する等の制御オプションも用意されています。このパワフルな機能は特に大面積のスパッタプロセスにて利便性を発揮し、例えば大面積での成膜分布の正確な調整を行う事が可能になります。

オートチューン

新たに開発・追加された自動キャリブレーションおよびチューニング機能により、従来の手動でのセンサキャリブレーションやプロセスチューニングにかかる時間を短縮する事を可能にしました。この機能は自動的にターゲット表面の金属状態・化合物状態の判定を行い、自動的にプロセスパラメタを設定します。

各種センサ

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スピードフロ光学部品、光ファイバ・レンズ・コリメータ

光センサ

マグネトロンスパッタターゲット上のプラズマ光を光ファイバーケーブルを介してスピードフロ本体に内蔵された光電子増倍管(PMT、フォトマルチプライヤ)に導入し、プラズマエミッションモニタ(PEM)を行います。取込んだプラズマ光から、狭帯域バンドパスフィルタを用いて波長を抽出する事で、プラズマ内の特定分子の量を監視します。(例、アルミ=400nm、チタン= 500nm、酸素=780nm)。

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ディアルマグネトロンプラズマ

ターゲット電圧(インピーダンス)

プラズマのインピーダンスを示唆するターゲット電圧をセンサとして使用します。ターゲット表面が反応性ガスと反応するにつれて、ターゲット電圧は変化します。スピードフロはこの電圧値を一定に保つために、ガスの流量を高速制御します。ターゲット電圧は、ほとんどのマグネトロン電源から0-10Vで出力されています。この信号を同軸ケーブルでスピードフロの電圧チャンネル(BNCコネクタ)に接続します。

 

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ラムダセンサ

ラムダセンサ(酸素センサ)

ラムダセンサは真空中に存在する酸素の分圧を直接検出する酸素センサです。Gencoa社製ラムダセンサはレスポンスの良い安定した信号出力を提供します。P.E.M.と同様にマルチゾーンでのモニタリングおよび制御が可能です。

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OptiX - 光学式ガスモニター

リモートプラズマ

マグネトロンプラズマなどとは別にリモートプラズマをモニタすることで、真空容器内のガズモニタリングを行う方法です。このセンサに代表されるものとしてOptixがあります。その他ペニングゲージなどのプラズマをモニタすることも可能です。

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スピードフロ、光ファイバ設置例

スピードフロソフトウェア

チャンネルタブウィンドウ

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スピードフロ、チャンネルウィンドウ

ソフトウェア 主な特徴

  • 複数のスピードフロをネットワーク接続
  • 任意のセンサ・アクチュエータ(MFC)の選択
  • リアルタイムモニタリング
  • オートチューンによるアルゴリズム係数(K1, K2)の自動計算
  • 各種制御モード
    • Constantモード:一定のガスを導入
    • Sensorモード:セットポイントを指定したフィードバック制御
    • Layerモード:レシピを設定して自動制御
    • Slaveモード:他のチャンネルに追随するモード
  • データ保存機能
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スピードフロ背面、MFCケーブル接続